このページの要点
- 支払条件の型は、前払い・後払い・分割払い・信用状に分けて考える。代金を回収できないリスクは、前払いが小さく後払いが大きい。
- 通貨は契約書で指定し、外貨なら換算の基準日とレートの出どころ、請求額の全額が着金する義務、送金手数料の負担者を書く。
- 為替の変動は、固定・一定の幅を超えたら改定・相手の通貨に合わせる、から選び、協議が不調のときの扱いまで書く。
- 遅延損害金は通貨・利率・起算日を書く(民法419条、404条)。外為法16条・17条・55条の許可・確認・報告は、支払の手続の側の問題として位置づける。
結論:代金の条項は、支払条件の型、通貨、手数料、為替の分担、遅れたときの扱いの五つを分けて書く
国内の取引なら、代金は「月末締め翌月末払い、銀行振込、振込手数料は支払側の負担」といった一文でほぼ足ります。海外の相手との取引では、同じ一文に、国内にはない問いがいくつも重なります。前払いで受け取るのか、出荷後に請求するのか。円で受け取るのか、ドルやユーロなどの外貨で受け取るのか。外貨なら、請求書を発行した日のレートで円に換算するのか、入金した日のレートか。送金のたびにかかる手数料のうち、送る銀行の手数料と、途中の銀行の手数料と、受け取る銀行の手数料は、誰が負担するのか。契約を結んだ後に為替が大きく動いたとき、損得は誰のものになるのか。
この問いを一文で済ませると、金額が小さいうちは問題になりませんが、取引が大きくなると、為替の差や手数料の差が、利益そのものを左右します。このページでは、代金の条項を五つに分けて、書き方と確認の問いを整理します。支払が遅れたときの遅延損害金、外国為替及び外国貿易法(外為法)が支払に関して定める許可・確認・報告の位置づけ、支払停止の条項も扱います。引渡しの条件と費用の関係は、国際商業会議所のインコタームズ2020の規則名を示すにとどめます。どの輸送手段にも使える規則はEXW、FCA、CPT、CIP、DAP、DPU、DDP、海上・内陸水路の輸送の規則はFAS、FOB、CFR、CIFです。契約書には、規則名に版と指定の場所を添えて「FOB(インコタームズ2020)」のように書きます。各規則の内容や信用状の統一規則の中身は、国際商業会議所が公表する規則の原文で確かめます。
- 支払条件の型は、前払い、後払い、分割払い、信用状による決済に分けて考える。代金を回収できないリスクは、前払いが小さく、後払いが大きい。
- 通貨は契約書で指定する。外貨なら、換算の基準日と基準レートの出どころを書く。何も書かないと、争いが起きたときに、どちらの通貨で、いつのレートで計算するのかが決まらない。
- 送金手数料は、送金する側、途中、受け取る側の三つに分けて、負担者を書く。
- 為替変動の分担は、「協議する」とだけ書くと機能しにくい。価格を固定するか、一定の幅を超えたら改定するか、為替の差を一方が負うか、決め方を書いておく。
- 遅延損害金は、通貨、利率、起算日を書く。外為法の許可・確認・報告は、支払の手続の側の問題として位置づける。
支払条件の型:回収のリスクをどこに置くか
海外の相手に商品やサービスを売る側にとって、最大の心配は、出荷した後に代金が入らないことです。相手が外国にあるため、代金が入らないときに、督促、訴訟、強制執行を相手の国で行う必要が出てきます。その手間と費用は、国内の取引とは比べものになりません。勝訴しても回収できない場合の整理で見るように、日本の判決は、相手の財産がある外国でそのまま通用するとは限りません。そのため、支払条件の設計の段階で、代金を回収できないリスクを小さくしておくことが、最も現実的な備えになります。
支払条件の主な型
前払い
売り手に有利
- 商品を出荷する前に、代金の全部または一部を受け取る。売り手は回収のリスクを負わない。
- 買い手は、商品が届かないリスクを負う。買い手が受け入れにくいことがある。
- 一部を前払い、残りを出荷後にする「内金」の形がよく使われる。
後払い
買い手に有利
- 商品を出荷または引き渡した後に請求し、一定の期間内に支払う。
- 売り手は、代金が入るまでの回収のリスクを負う。
- 相手の信用を確かめる、保証や担保を求める、といった備えが要る。
分割払い
期間が長くなる
- 代金を複数回に分けて支払う。大きな取引や継続的な取引で使われる。
- 途中で支払が止まったときの扱い(期限の利益の喪失)を書く。
- 商品の所有権が買い手に移る時期も合わせて決める。
信用状による決済
銀行が関与する
- 買い手の銀行が、書類が条件に合っていれば代金を支払うと約束する仕組み。
- 書類の条件が厳格で、書類の不備があると支払われない。
- 詳細は国際商業会議所の統一規則によるため、原文で確認が必要。
どの型を選ぶかは、相手の信用、取引の金額、継続の見込み、相手の国の外貨規制などで決まります。契約書には、型を選んだ結果としての支払期日、方法、書類の要否を具体的に書きます。
支払条件を選ぶときの考え方は、リスクを売り手と買い手のどちらに置くか、の調整です。初めて取引する相手に、いきなり大きな金額の後払いを認めるのは危険です。反対に、買い手の側が、まだ信頼関係のない売り手に全額を前払いするのも、同じくらい危険です。そこで、初回は一部前払いにして、取引を重ねて信頼が生まれた後に、後払いの期間を延ばす、という段階的な設計が、契約書の中で書かれることがあります。
確認の問いと理由支払条件を決める前の問い
相手の信用をどのように確かめたか。
相手の会社の所在、事業の実態、支払の履歴を確かめたうえで支払条件を決める。確かめた範囲によって、後払いにどこまで応じるかが変わる。
代金が入らないとき、どの国でどの手続を使うか。
相手の財産のある国によって、督促や強制執行の難しさが変わる。契約を結ぶ前に、回収の見通しを考えておく。
出荷と支払の順序は、契約書に書いたとおりに実行できるか。
前払いなら、入金の確認が出荷の条件になる。入金確認の方法(銀行の書類か、振込の通知か)まで書いておく。
商品の所有権は、いつ買い手に移るか。
代金を払うまで所有権を売り手に残す書き方がある。ただし、相手の国で所有権留保が認められるかどうかは、その国の法令による。
通貨と換算:何で、いつのレートで払うのかを書く
代金の通貨を契約書で指定していないと、請求書や発注書にたまたま書かれた通貨が、そのまま契約の通貨になります。日本の売り手が円建てで請求し、外国の買い手が自国の通貨で送金しようとする、というすれ違いも起きます。通貨の指定は、契約書の中で最も短く、最も効果の大きい条項のひとつです。
外貨建てで契約する場合に、さらに決める項目は三つあります。第一に、売り手の会計上の金額(円への換算額)を決めるための換算の基準日。請求書の日か、支払期日か、入金の日か。第二に、基準にするレートの出どころ。銀行の公表レートか、特定の機関が公表する値か、売り手の取引銀行の実際の交換レートか。第三に、実際に入金された金額が請求額に足りなかったときの扱い。途中の銀行手数料や為替の差で、請求額より少ない金額しか入金されないことがあります。その差額を誰が負担するのかを書いておかないと、少額でも争いの種になります。
書き方の例(一般的な例) 通貨と換算の条項
通貨の指定
理由請求書の通貨に任せると、請求書ごとに通貨が変わる。契約書で通貨を一つに決めておく。
換算
理由レートの出どころと基準日を書かないと、換算額が人によって違う。基準の機関と時点を決める。
入金額の不足
理由途中の費用が差し引かれて入金額が不足するのを防ぐ。全額が着金することを、買い手の義務にする。
外貨建てで受け取る売り手は、円に換算したときの金額が、契約を結んだ時点の想定と違ってしまうリスクを負います。反対に、円建てで支払う外国の買い手は、自国の通貨で計算した負担額が変動するリスクを負います。通貨をどちらの国の通貨にするかは、このリスクをどちらが負うかの選択でもあります。一般には、取引で優位に立つ側の通貨になりやすいですが、双方が合意できる第三の通貨(国際取引で広く使われる通貨)を選ぶこともあります。
送金の手数料:誰が、どの区間の手数料を負担するか
国際送金では、送金を依頼した銀行、途中の銀行(中継銀行)、受け取る銀行が、それぞれ手数料を取ることがあります。このため、買い手が請求額どおりに送金しても、売り手が受け取る金額は、手数料の分だけ少なくなる、という現象が起きます。契約書に何も書かなければ、この差額がどちらの負担になるかは、取引の経緯や慣行を踏まえた解釈の問題になり、予測がつきません。
送金手数料の分担の三つの書き方
| 書き方 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 送金側がすべて負担 | 買い手が、送金の依頼から着金までのすべての手数料を負担し、売り手の口座に請求額の全額が着金するようにする | 売り手の力が強い取引。請求額がそのまま利益になる |
| それぞれが自分の銀行の分を負担 | 送金の依頼側は依頼側の銀行の手数料を、受取側は受取側の銀行の手数料を負担する | 双方の力が対等の取引。慣行として広く使われる |
| 受取側がすべて負担 | 売り手が、途中の手数料も含めて、着金までの手数料を負担する | 買い手の力が強い取引。売り手は請求額に手数料を織り込む |
手数料の分担は、小さな金額の取引では見逃されがちです。しかし、少額の取引を頻繁に繰り返す場合や、手数料が定額で請求額に対して比率が大きくなる場合は、年間の負担が無視できなくなります。一回ごとの金額が小さい取引ほど、手数料の条項を丁寧に書く意味があります。
為替変動の分担:「協議のうえ改定する」だけでは弱い
契約を結んでから代金を支払うまでに期間がある取引では、その間に為替が動きます。継続的な取引なら、為替の変動は避けられません。国内向けの契約書でも、原材料費の高騰を理由に価格を見直す条項はありますが、為替の変動を価格にどう反映させるかを具体的に書いた契約書は、多くありません。多くの契約書で見られる傾向として、「為替の変動その他の事情により、価格の改定が必要な場合は、当事者が協議のうえ決定する」という書き方があります。
この書き方の弱点は、協議が成立しなかったときに、何も決まらないことです。売り手が価格の引き上げを求め、買い手が拒んだとき、契約はそのまま旧価格で続くのか、売り手は出荷を止められるのか、解除できるのか。協議条項だけでは、これらが書かれていません。協議を求める側の力が弱い場合、実質的には、協議の条項がないのと同じになります。
為替変動の分担の設計
価格を固定する
為替の危険は固定する側が負う
- 契約期間中は、為替が動いても価格を変えない。
- 固定する側が、為替の損益を引き受ける。
- 期間が長いほど、固定する側の負担が大きい。必要に応じて、金融機関の為替予約などの手段で備える。
一定の幅を超えたら改定
決まった条件で自動的に動く
- 基準レートから一定の割合を超えて動いたときに、改定の協議または自動改定を行う。
- 基準レート、割合、改定の対象期間、改定後の価格の計算方法を書く。
- 幅の内側の変動は、各自が負う。
通貨を相手に合わせる
為替の危険を相手に移す
- 代金を、受け取る側の通貨で定める。
- 為替の危険は、支払う側が負う。
- 価格に織り込まれる為替の危険の分が、価格交渉に反映される。
為替予約などの金融取引の内容や、その会計処理は、このガイドの対象外です。契約書の側では、為替の危険を誰が負うのかを一文で明らかにしておくことが出発点になります。
条項例為替変動に基づく価格改定(一般的な例)
- 基準為替レートを、○月○日の○○が公表する対顧客電信売買相場の仲値(以下「基準レート」という。)とする。
- 支払日の前営業日の同一の相場が、基準レートから一定の割合を超えて変動したときは、いずれの当事者も、相手方に対し、価格の改定を書面で申し入れることができる。
- 【A案】当事者は、前項の申入れを受けたときは、受領の日から一定の日数以内に協議を行う。その期間内に合意が成立しないときは、改定前の価格を維持する。
- 【B案】当事者は、前項の申入れを受けたときは、受領の日から一定の日数以内に協議を行う。その期間内に合意が成立しないときは、いずれの当事者も、一定の日数前に通知して本契約を解約できる。
協議が成立しないときの扱いを書くことが、条項を機能させるうえで重要です。旧価格の維持(A案)か、解約(B案)かのどちらを選ぶかで、為替の危険の負担が変わります。
遅延損害金:通貨、利率、起算日を決める
支払が遅れたときの遅延損害金は、国内の取引と同じように書けばよいように見えますが、海外の取引では、いくつか決める項目が増えます。第一に、損害金を計算する通貨。外貨建ての代金なら、遅延損害金も同じ外貨で計算するのが自然ですが、書いていなければ争いになります。第二に、利率の書き方。日本の法定利率に頼るのか、契約書で固定の年率を書くのか。第三に、遅延の起算日と、期間の数え方です。
日本の民法は、金銭の給付を目的とする債務の不履行について、損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める、ただし約定利率が法定利率を超えるときは約定利率による、と定めています(民法419条1項)。法定利率は年3パーセントを出発点としつつ、3年を一期として変動する仕組みです(同法404条2項・3項)。債権者は損害の証明を要せず、債務者は不可抗力を抗弁にできません(同法419条2項・3項)。確定期限のある債務は、期限の到来した時から遅滞の責任が生じます(同法412条1項)。
これらは日本法が契約の効力の準拠法となる場面の規定です。契約から生じた債権の効力は、一般に、その債権の準拠法によって決まります。準拠法の選び方は準拠法のページで整理していますが、準拠法を日本法以外にする場合は、遅延損害金の扱いもその法によることになります。準拠法にかかわらず、契約書で利率と起算日を具体的に書いておけば、争いの範囲を小さくできます。
書き方の例(一般的な例) 遅延損害金の条項
利率と通貨
理由利率、起算日、通貨を書いておくと、損害金の計算で争う余地が減る。
支払場所
理由支払場所について別段の意思表示がないとき、金銭の弁済は債権者の現在の住所でする、というのが民法484条1項の原則。口座を契約書に書いて、支払の場所と方法をはっきりさせる。
口座変更
理由口座変更を装った詐欺が、国際取引でも知られている。口座変更の通知の方式を厳格にしておく。
外為法の位置づけ:支払の許可、銀行の確認、報告
外為法は、国際的な取引について、輸出入の規制と並んで、支払の側にも規律を置いています。契約書の代金の条項は、多くの場合、通常の送金で履行できますが、一定の場合には許可や報告の手続が絡みます。ここでは、条文上の位置づけだけを整理します。
条文外為法の支払に関する条文
- 外為法16条主務大臣は、条約の誠実な履行、国際平和のための努力への寄与などのため必要があるときは、政令で定めるところにより、本邦から外国へ向けた支払などについて許可を受ける義務を課することができる。この法律に基づく命令で、取引または行為について許可・承認を受け、または届出をする義務が課されているときは、政令で定める場合を除き、許可等を受けないで、または届出をしないで、その取引または行為に係る支払等をしてはならない(16条5項)
- 外為法17条銀行等は、顧客の支払等が、許可を受ける義務が課された支払等に当たらないこと、当たる場合には許可を受けていることを確認した後でなければ、為替取引を行ってはならない
- 外為法55条居住者または非居住者が、本邦から外国へ向けた支払または外国から本邦へ向けた支払の受領をしたときなどは、政令で定める場合を除き、政令で定めるところにより、支払等の内容、実行の時期などを主務大臣に報告しなければならない。銀行等または資金移動業者の為替取引によるときは、これらを経由して報告する(55条2項)
許可の対象となる支払の範囲や、報告が必要となる金額の基準は、政令などで定められています。個別の取引が対象になるかどうかは、財務省などの公表資料と政令で確認が必要です。ここでは、手続の存在と、契約書との位置づけだけを整理しています。
契約書の側から見ると、次の二つの点が実務上の論点になります。第一に、支払の相手が、制裁の対象になっているなど、許可が必要となる事情があるとき、契約書の通常の支払の義務をどう扱うかです。許可が下りない間は支払ができない以上、支払の義務の履行が遅れても、買い手を遅延の責任から免れさせるのかを、契約書に書いておくことが考えられます。ただし、一般に、金銭債務の不履行については不可抗力を抗弁にできないとされる(民法419条3項)点とのつながりに注意が必要です。この点は、輸出入規制と取引の審査のページで、遵守・停止・解除の条項と合わせて整理します。
第二に、銀行が為替取引を行う前に確認をするため、確認に時間がかかると、支払が数日遅れることがあります。契約書の支払期日が厳格なら、銀行の確認に必要な書類(取引の内容を示す書類)を、買い手が速やかに用意する義務を置く方法があります。
支払の停止と取引の停止:どこまで認めるかを書く
代金の条項と一体で書いておきたいのが、買い手が支払をしないときに、売り手が出荷を止められる権利です。継続的な取引では、前の取引の代金が未払なのに、次の注文の出荷を続けなければならないのかが問題になります。契約書に、売り手が未払の間は出荷を停止できる旨を書いておけば、売り手は損失の拡大を防げます。
条項例支払停止と出荷停止(一般的な例)
- 買い手が支払期日までに代金を支払わないときは、売り手は、未払が解消されるまでの間、新たな注文の受付および出荷を停止することができる。この場合において、売り手は、停止によって生じた買い手の損害について責任を負わない。
- 買い手の支払の遅延が一定の日数を超えたときは、売り手は、相手方に通知して、本契約を解除することができる。
- 買い手が支払不能に陥ったときは、売り手は、買い手に通知して、期限の利益を喪失させ、未払の代金の全額の支払を直ちに請求することができる。
解除の要件は、債務不履行による解除に関する民法541条(催告による解除)、542条(催告によらない解除)と、契約書の定めの関係を確認します。契約書で解除の要件を書くときは、売り手に有利な書き方をしても、相手の国の裁判所や仲裁廷での判断は、準拠法によって左右されます。
反対に、買い手の側から見ると、売り手が一方的に出荷を止められる定めには、歯止めを置く必要があります。たとえば、代金が争いになっている部分だけを留保して、争いのない部分は支払う、という書き方を認める定めです。品質の苦情を理由にした支払の留保が、全額に及ぶのかどうかも、書いておく項目です。支払の留保と相殺の扱いを、契約書の中で書いておくと、売り手と買い手の双方にとって予測がつきます。
これらの条項は、取引の全体設計の中で決める項目です。管轄・準拠法・仲裁の定めと合わせて、どこで、どの法で、代金の争いが判断されるのかを確認しておきます。全体の確認の順番は全体像のページにまとめています。
起きがちなこと:代金の条項で見落とされる点
起きがちなこと
- 契約書に通貨の指定がなく、請求書ごとに通貨が違って、為替の差が毎回争いになる。
- 送金手数料の負担を書かなかったため、毎回、請求額より少ない金額が入金され、差額の請求のたびにやり取りが生じる。
- 「為替の変動は協議のうえ改定する」とだけ書き、為替が大きく動いたときに協議がまとまらず、出荷を続けるかどうかが決まらない。
- 遅延損害金の通貨や利率を書かず、遅延したときに、どの法律のどの利率が適用されるのか、双方の意見が分かれる。
- 相手から、口座が変わったという電子メールが届いて、確認せずに新しい口座に送金し、代金が第三者に渡ってしまう。
- 銀行が支払の確認に時間をかけた結果、支払期日に間に合わず、遅延損害金が発生するかどうかで争いになる。
- 支払が止まっているのに、出荷停止の権利を契約書に書いておらず、出荷を続けて、未払額が膨らむ。
よくあるご質問
海外の相手との取引では、前払いと後払いのどちらがよいですか?
売り手の側から見れば、前払いのほうが代金を回収できないリスクが小さくなります。買い手の側から見れば、後払いのほうが商品が届かないリスクを負わずに済みます。初めての取引では一部前払い、取引を重ねて後払いの期間を延ばすなど、段階的に設計する方法があります。どちらを選ぶかは、相手の信用、取引の金額、継続の見込みで決まります。
代金の通貨は契約書に書かないといけませんか?
書いておくことが勧められます。通貨を指定しないと、請求書にたまたま書かれた通貨が契約の通貨のようになり、請求書ごとに通貨が変わることがあります。外貨建てなら、円に換算するときの基準日と基準レートの出どころも書いておきます。
為替が大きく動いたら、価格を変えてもらえますか?
契約書に改定の定めがあれば、その定めに従います。「協議のうえ改定する」とだけ書かれている場合、協議が成立しなかったときの扱いが書かれていなければ、旧価格のまま取引が続くのが原則になります。価格の固定、一定の幅を超えたときの改定、相手の通貨に合わせる、といった設計から選び、協議が不調に終わったときの扱いまで書いておきます。
支払が遅れたときの遅延損害金は、契約書に書かなくてもよいですか?
日本法が準拠法なら、金銭債務の不履行については、法定利率による損害賠償の定めがあります(民法419条)。ただし、利率や通貨、起算日を契約書で具体的に書いておくほうが、争いを減らせます。準拠法を日本法以外にしたときは、その準拠法によって扱いが変わります。
国際送金には、外為法上の手続が必要ですか?
外為法は、一定の支払について許可を受ける義務を課すことができ(16条)、銀行等は許可を受けているかを確認したうえで為替取引を行う義務を負い(17条)、一定の支払・受領について報告の義務が定められています(55条)。通常の取引の送金は、銀行が手続を進めますが、対象となるか、金額の基準がどうかは、政令などで定められているため、財務省などの公表資料で確認が必要です。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、取引の内容、相手の所在する国、契約の相手が事業者か消費者かによって異なることがあります。外国の法令や外国での手続の内容は、その国の法令と手続によるため、本ガイドでは判断しません。日本の法令の条文は e-Gov法令検索の現行の条文に沿って書いています。参考: e-Gov法令検索 / 外務省 / 経済産業省 / 日本貿易振興機構 / 税関